こんにちは。この度めでたく転職することができましたので、顛末などをまとめてみようと思います。
- おことわり
- 誰?
- 今までは何をしていたの
- なんで辞めようと思ったの
- 葛藤とか無かったの
- なんで今なの
- 転職に何を望んでるの
- どうやって転職したの
- Twitter転職
- これからどうするの
- まとめ(というか感想)
おことわり
昨年末は某NTTさん関連の退職エントリなどが話題となっていましたが、私はそんな超大企業様で働いていたわけではありませんし、エリートでもなんでもありません。都内勤務のしがない一般的サラリーマン(社内SE)です。
しかし今回の転職では本当に多くの方に助けていただきました。この記事を書くことで少しでも誰かの参考になればと思い、退職エントリ的な記事を書いてみることにしました。
…と言いつつも書き始めてみたら随分長いポエムになってしまいました。どうぞお時間に余裕のある方は寛大な心でコーヒーやビール、つまみなどを片手にご覧いただければと思います。
誰?
HN:ガシと申します。36歳、埼玉在住、妻と1歳の息子(かわいすぎる)の3人家族です。長らく社内SEとして働いてきました。かなり中途半端なスペックです。
- 社内SE歴10年以上
- 都内中小企業、専門商社勤務
- 地方の国公立大学(情報工学)出身
- 転職歴:3回(次で4社目)
- テクニカルスキル:ExcelVBAを少し
- 資格
プロジェクトマネージャ(PM)
情報セキュリティスペシャリスト(SC)
簿記3級
ビジ法
TOEIC 670点(最大瞬間風速)
こんな自分ですが凡人なりに何とか世間に追いつくべしと日頃からできるだけ勉強や読書などをしてきました。通勤時間や会社での時間を利用し、平日は2時間程度を自己研鑽の時間に充てています。(土日は全く取れず)
今までは何をしていたの
直近は都内中小企業、専門商社(非IT企業)で6年半ほど社内SEをしていました。
IT部門は無く、管理部という部署のIT担当というポジションでした。実質的なシステム管理者のお仕事をしていました。
PCキッティングからIT企画や予算策定まで社内ITの全てを担当していましたが、実業務はアウトソーシングがメインでした。
なんで辞めようと思ったの
主だったところを箇条書きにしてみました。
- 現在以上のキャリア・収入アップを見込めなくなったことへの絶望感
- 責任は増えるものの裁量は与えられないことへの不満
- 企業体質、同僚への不満
- この会社に留まり続けることへの恐怖
- もっと経験を積みたいという欲求
- 飽きた
オフィス移転や基幹システムリプレースなどのPMをやらせて頂いたりして、比較的やりがいのある仕事に携わることができました。その一方で会社全体に保守的な空気が漂っており、問題を指摘して改善提案をしても謎の忖度が働いて却下されることは少なくありませんでした。
また、今年度から昇格し管理監督者となりました。基本給は上がりましたが、役職はありませんし、これといった裁量も与えられません。出社時間は定時を義務付けられているのに残業代は出ない。そう、名ばかり管理職というやつです。さらに給与面。管理監督者に上がると昇給カーブが途端に緩やかになります。これまではそれなりに高い評価を頂き順調に収入を増やしてきたのですが、仕事でいくら成果を出してもこれ以上収入が増えないという現実がモチベーションにブレーキをかけました。
典型的な年功序列型企業であることに加え、部長クラスは全員親会社からの出向、上がどん詰まりという状態です。仮に裁量権を持つ部長に昇格するとしても、あと20年はかかります。
仕事は退屈になり、提案は却下。収入も上がらない、将来も期待できない。独学での自己研鑽にも限界を感じ、環境を変えるのがベストだと判断しました。
葛藤とか無かったの
もちろん葛藤もありました。
ごく一部にパワハラまがいの行動をする同僚がいたり、それを許容する企業文化でしたが、全体的に見れば社員は人当たりがよい人が多く、また誠実な後輩にも恵まれ、人間関係は概ね良好だったと言えます。「仲間を裏切るのか」みたいな葛藤はありました。また、仕事内容や拘束時間を考えると給料はかなり良い水準でした。プロジェクトで死にそうな時もありましたが最近は比較的落ち着いており、残業もほぼありませんでした。(そうなるように工夫してきたという面もあります。)
「楽してそこそこお金が稼げるならいいやん、高望みしすぎでは?」と思うこともしばしばありました。ただこのような良い点を踏まえても、今の会社に残り続ける方がデメリットが多いと判断し、転職活動を開始しました。いつ理不尽なプロジェクトが放りこまれるかわからないし、今の日本を見ていると楽観視はできません。さらに加えれば、この会社が今後もずっとこのまま存続する保証はどこにもありません。何より、一生このままなんて絶対にごめんだと思いました。
なんで今なの
- 36歳という年齢
- 子供も産まれた
- 40歳を超えると転職の難易度がさらに上がるという現実
転職については常に頭の片隅に置いていたものの、やはりタイミングというものがあります。私の場合はまず結婚したこと、そして親愛なる息子が産まれたことがあり、もっと稼ぎたいという欲求が近年大きくなってきていました。それと同時に今の会社で大丈夫なのかという不安も徐々に大きくなりました。さらに、昨年早々には転職フェアにも顔出してみるなどをして、転職への意識が高まっていたということもあります。実際にそのフェアで出会った企業さんからも内定をもらうなどをして調子に乗っていたような背景もあります。
lksdsw.hatenablog.com
さらに今年はプロジェクトマネージャ試験に合格したこと、またTOEICが650点を超えたことなどが後押しした部分もありました。はっきり言ってアピールできる資格ではないことは自覚しています。正直中途半端ではあるものの、凡人なりに日頃から自己研鑽に励んでいることや勉強意欲があるということのアピールにはなるかなと思いました。「やってます」だけでは説得力に欠けます。
最大の転機はお誘いを受け目黒の某雲屋(ぶっちゃけるとAWS)の中途採用試験を受けさせて頂いて、見事に落ちたことです。書類は通ったもののWEB技術試験で散りました。最終的にどこが足りなかったのかはわからないものの、そこそこ自信もあっただけに、かなりショックを受けました。無能感に打ちひしがれました。一週間くらいは使い物になりませんでした。自宅のベランダで風にあたりながら「私って何のために生きているんだろう」とか考えたりしました。どんな試験でもNGを食らうというのは残酷なものです。「いやーははは、無能は要りません^^」という答えがダイレクトに伝わってくるような感じがします。
しかしこれこそが私が本格的に転職活動をするきっかけになりました。暗いトンネルを抜けたあと、「私はまだまだだ。自分の立ち位置を再確認できた。今のままぬるま湯に浸かり続けていたら今度こそ本当にダメになるぞ。」と思い直すことができたのです。(開き直りとも言う)
今では、私のような半端者がまぐれで受からなくて本当に良かったなと思っています。本当に貴重な経験をさせて頂きました。感謝。これからもAmazon使います。
転職に何を望んでるの
こちらも悩みました。転職できればなんでもよいのか。もちろん違います。自分と向き合い、自分がこれからどうしていきたいのかをじっくり考えてみました。
- 年収はできる限り落としたくない、というかどんどん上げていきたい
- 残業はしたくない
- 裁量をもって働きたい
- 今までの経験を活かしつつ、さらに経験を積みたい
- ユーザーに近いところで働きたい
転職理由には色々なものがあると思いますが、大別すると前向きな理由と後ろ向きな理由に分けられます。私の場合は「残業が多すぎる」「年収が低すぎる」というような、生活の維持が難しいレベルの転職理由はありませんでした。そういう意味では前向きな理由の多い転職と言えるかもしれません。
私は長らくエンドユーザーの近くで仕事をしてきました。そして、彼らの中には本当にITに関してアレルギー反応を示してしまうユーザーもいます。世の中のIT技術はどんどん進んでいますが、IT技術とビジネスの現場にはまだ大きな隔たりがあることを日々感じてきました。私はエンジニアとして技術を極めるというよりは、コミュニケーションを通じて課題を解決していくような仕事にやりがいや楽しさを感じていますし、今後もそのような仕事をしていきたいなと思いました。開発より、ユーザーやベンダーと詰めていく要件定義の方が好きです。(珍しいと言われたことも。)
そう言った意味ではやはり社内SE、またはコンサルやSIerなどが候補に上がってくるのかなーとぼんやり考えていました。
どうやって転職したの
何は無くともまずは履歴書、そして職務経歴書が必要になります。それにあたってまずは「できること、やりたいこと、やりたくないこと」を明確にすることにしました。その方が職務経歴書にも説得力が出ると考えたのです。職務経歴書の作成は本当に大変でした。日頃からアップデートをしておくのは非常に重要だと思います。
そしてビズリーチなどの転職サイトに登録、さらに転職エージェント2社にも登録しました。まずは履歴書や職務経歴書をこしらえて、実際にエージェントに会い面談を受けました。紹介は20~30社位あったと思いますが、実際に応募したのは6社、面接まで漕ぎつけたのは3社という感じでした。
社内SE志望で進めていたのですが、コンサルやSIer、Web系など業種はあまり指定せずに応募しました。何かしらの出会いや、新たな気づきもあるかもしれないと考えたためです。なお、エージェントによると社内SEからコンサルなどにキャリアチェンジをする方はよくいらっしゃるのだそうです。(その逆も多いらしいです。コンサルが嫌になって社内SEへ。)
いざ転職活動を開始しましたが、正直、厳しかったです。 20代の時にで2度目の転職をしたときは「とにかく今の会社でなければどこでもいいです。社内SEやらせてください」位のハードルでしたので多くの求人を紹介してもらえましたが、今回はそのようにはいきませんでした。年収や残業時間などの条件を明確に指定したためです。
エージェントからはそれなりに案件を紹介されるのですが、
- 年収が低すぎる(高年収を期待しすぎ?)
- 残業時間が長すぎる
- 同業他社・・・
これらの理由により中々進みません。残念ながら、社内SEとしての求人では一つも面接に漕ぎつけることができませんでした。(選り好みをしたからというのもあります)
面談で「この年収は残業20〜30時間くらいを含んでますね」とか平気な顔で言われるんだけど、なぜ定時ベースの金額を出さないかと言われればそれが実体、残業が恒常化してるからなんですよね。
— ガシ (っ'-') (@gashi_lksdsw) 2018年8月21日
それでさらに今の年収より下がるとか言われたら当然行く気にはならんですよねぇ。きびしい
やっぱり残業30~40時間程度とか書かれた瞬間に応募する気無くすんですよね…。私がおかしいのかな。よくわからなくなってきた。
— ガシ (っ'-') (@gashi_lksdsw) 2018年8月28日
転職口コミサイト見ると、コンサルは50~60当たり前とか書いてある。私には無理だよそれは。生き物が待ってるもん
いざ、書類選考を通過し面接まで漕ぎつけても以下のように言われてしまいます。
- 特筆すべきスキル(プログラミングや開発経験)が乏しい
- ヒューマンマネジメントの経験がない。
(PMの経験もあくまでユーザーの立場)
先日の面接結果、やはりマネジメント人数が少ないということでお祈りになりました…。ポジションアンマッチですね。仕方ない。
— ガシ (っ'-') (@gashi_lksdsw) 2018年9月12日
フィードバックきちんと頂けてありがたい。次はもう少し違った形でアピールしてみよう
「やはり一人情シスになった時点が墓場だったのか」などと絶望感に打ちひしがれつつ、長期戦を覚悟しました。仕事、試験勉強、そして育児に参加しつつ転職活動を進めていきましたが、私にとっては少々ヘビーな日々が続きました。私が遅く帰るということは妻への負担も大きくなるということになります。体力的にも精神的にも少し疲れが見え始め、夜中に目が醒めてしまうことなども多くなってきました。
Twitter転職
無能感に打ちひしがれ少し休憩しようかなと思い始めたときに転機が訪れました。Twitterでかねてより親交のあったAさんから「欠員補充だけどよかったらぜひ受けてみないか」と声をかけて頂きました。この方はTwitter上では4~5年来の付き合いで、リアルでも何度もお会いさせて頂き、勉強会や一緒に飲みに行ったりなどして意見交換をしてきて、お互いによく知っている仲でした。とても尊敬しているお方です。
そのような方から声をかけて頂いてかなり気持ちが傾いていたのですが、お会いして詳しくお話を伺った際に以下のような誘い文句をいただきました。
「この会社…というか業界がガシさんを必要としている」
これです。この一言で迷いなどは晴れ、正式に応募させて頂くことにしました。
その後、複数回の取締役の方や社長面接を経て、無事に内定を頂くことができました。
第一志望の企業から内定でました
— ガシ (っ'-') (@gashi_lksdsw) 2018年10月16日
( ∩'ω'∩)
今回、Twitterで転職活動のつぶやきをしてから、多数のフォロワー様からお声かけを頂きました。実際にお会いしてお話をさせて頂くこともありました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
結果的に今回はTwitter経由での転職となりました。「運かよ」と言う声が聞こえてくる気がしますが、完全に運でした。運が良かったとしか言いようがない。まず諸々の条件が運よく重なりました。
- 私が転職活動開始し、宣言していたこと
- 前任者が退職したこと
- ポジションがマッチしたこと
そして私がもしTwitterをやっていなかったら、隙間時間を作りながらの自己研鑽をしていなかったら、私なりに情報発信をしていなかったら、転職に漕ぎつけることはできなかったということも事実だと思います。Aさんに声をかけて頂いたからこそ興味が湧きましたし、Aさんも私だからこそ声をかけて下さったと言う側面があったはず。(そうであって欲しい)
完全に運だったとはいえ、運をなるべく逃さないようにする努力も必要なのかなと感じました。
「仕事は楽しいかね?」という本に以下のような一節があります。
もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、君はそれにふさわしいかね?
※アフィ注意
これからどうするの
無事内定を頂き、12月は丸々有給消化することができました。そして今年2019年1月に入社し、総務部でIT全般を担当しつつ総務業務にも取り組み始めています。社内SEとしては転職によって縦より横方向にスキルや経験を伸ばしていく道を選んだことになります。今までの経験を活かしつつ、社内ユーザーと協力しながら経済に貢献していけたらなと思っています。すでにセキュリティ的な課題なども見え始めてきていますのでどうやって改善していこうか色々と思いを巡らせています。
蛇足ですが残業はほぼなく、裁量を持って働けるポジションに着くことができました。年収は前職と比較するとステイですが、成果に応じて昇給があるという話です。
相互フォローの方が同僚として同じ職場で働くことについては、とても新鮮で非常に心強くもあります。同じ職場になると呟きづらいみたいな意見も時々見かけますが、今のところそんなことは全くなく、お互い好きなことを呟いています。(多分、ダメ出しは直接指摘しくださるはず)早く期待に応え、戦力になれるようにがんばりたいと思います。
初心に立ち戻り引き続きがんばります。総務部というところは雑用が多いようなイメージがありますが、企業の要とも言える重要なポジションを担っています。部門というものに縛られず、ITなどを利用しながら企業経営に貢献していきたいと思います。
まとめ(というか感想)
長くなりましたが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。転職にあたって感じたことなど、簡単にまとめてみたいと思います。
- 自己研鑽は自分を裏切らない。
- ぐだぐだ言っているだけでは何も変わらない。行動を起こす。
- 今の会社が全てではないし、会社は腐るほどある。
- 職務経歴書は定期的に更新すると自分を見つめ直すきっかけにもなる。
- コミュニティに参加して知識や意見を交換する。
- 人間は環境に大きな影響を受けるということを意識する
ここまで書いておいて何ですが、これらは転職のために必要…というよりは自分という資産価値を高めるための考え方のような気がします。当たり前だろと言われそうですが、自分という資産価値を高めることが転職成功の鍵になってくるのかもしれません。
転職活動、大変ですよね。無理しない程度にがんばりましょう。これから就職、転職される方によいご縁がありますように。
おしまい