ガシガレ

社内SEのヒトリゴトです。

2番目の職場の話⑥begin.

悔しいという気持ちはもはや微塵もありませんでした。

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 張り詰めていた糸がプツンと切れたようで、驚くほどの冷静さが後からやってきました。

この2社目はこんな感じのところでした。

  • ミスは起こした本人が悪い。(会社は何も悪くない)
  • とにかく個人に責任追求する
  • 私に限らず、誰かがミスをすると「何で?」→「何で?」→「何で?」この繰り返し
  • とにかく言われたことを時間内にきっちりやれ、できなかったら「何で?」
  • 社員を教育するという意識が皆無
  • 何のためにシステムを作ってるのかわからなくなる
    「ここの仕様ですがこうした方が」→ もう決まってるから却下
    「こうした方が使いやすいかと」→ 工数が増えるからダメ
  • ITを金儲けの道具としか思っていない
  • とにかくコードを書いている時間以外は全て苦痛
  • 精神的、心理的余裕が一切ない。常に脅迫されているような感覚だった。

もしかしたら、私は私の思う正当な評価を得られなかったことで、自分を正当化したかっただけなのかもしれません。

 私は1社目のことを思い出していました。現場ユーザーと一緒に要望を形にしていく作業はとても刺激的で楽しかった。私だけ居たってどうしようもないし、ユーザーだけでも問題を解決することはできない。コラボレーションしながら会社の問題を解決していくことで、私も学んで成長できるし、ユーザーも改善プロセスを学んで成長できる。シナジー

 私が2社目で学んだことは、ビジネスとコスト意識かなと思います。1社目の社内SE時代は直接お金を稼ぐ部門にいたわけではなく、俗に言う間接部門にいました。社内の問題は山積みで課題はいくらでもあります。とにかく品質重視でユーザーの要望に応える、期待以上のものを作ることに集中できました。
 しかし、SIerの場合はそういうわけにはいきません。双方に明確な予算があります。ベンダー側はきちんと利益を出さなければなりません。クライアント、お客様は投資(費用)対効果を出さなければなりません。限られた予算、納期の中でシステムを作るには機能を削ったり他のソリューションを検討する必要も出てくるでしょう。

 そう、実はこれは社内SEだって同じことです。まだ若かった私はそこまで考えていませんでした。とにかく残業してでもマクロの開発に没頭していました。これは「生活残業」とある意味一緒だったのだと思います。社内SEだって当然コストを意識する必要があります。間接部門の人件費やITへの投資コストを最小限に、直接部門の定量的、定性的メリットを最大化することが求められます。(この話はまたどこかで)

 

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そんなこんなで転職活動を終え、上司に退職を告げました。
(転職活動のくだりもまた改めて)

 

上司「やっぱりダメだったか〜!

 

どういう意味だったのでしょうか。もはや知る由もありません。「やっぱり」てなんだよ。もしかしたらあえて厳しくして乗り越えて欲しかったみたいな気持ちがあったでしょうか。完全にやり方間違えてますよ。現にこうして辞めてますしね。

 後から知った話ですが、2社目の入社前に大量の退職者が出た件はこの上司が難癖を付けて社内のNo2が辞め、それについていく形で大量に人が辞めていったという事実を知りました。その時に入社していたらまた違った結果になったかもしれない。

 

結局私は1社目、2社目で何をしたかったのだろうか。そして3社目は。

とにかく私には社内SEとして仕事することしかできないと思った。再び社内SEに戻り、私に何ができるのか。私は今後どうしていきたいのかを探していくことになる。

桜は散り、新しい緑がぽつぽつと木々を彩り始めていた。

 

(1462文字、52分)